研究室紹介
本研究室は安田先生や現在防衛大におられる浪江先生の頃より、GPSに着目した研究を行っております。アメリカの軍事利用で始まったGPSは、現在GNSS(GPS、GLONASS、GALILEO、COMPASS)へと進化をしており、今後も世界規模でゆるやかな発展がみられる状況です。日本も国産の準天頂衛星(みちびき)が2018年11月に4機体制でサービスを開始しました。
GPS等の受信機を自分で作ってみたい人、衛星通信に興味のある人、ソフトウエア(GPS/GNSSに限らず)を作ることに興味のある人、位置情報を利用したアプリケーションに興味のある人等、少しでもやる気のある方はぜひこちらの研究室へ。GPSは通信全般を勉強するにはいい題材だと思います。電離層や対流圏の研究も可能。できるだけその分野に長けた人につなげていけるように配慮します。ナビゲーション、地図、各種センサー(ジャイロなど)などに興味のある方も歓迎です。最初はコピーかもしれませんが、次第に自分のアイデアも出せるようになってくるのではと思っています。学生が将来的には、宇宙・海洋の平和利用も含めて、衛星測位分野で社会に貢献できる人材へ、もちろんそれ以外の分野でも社会に貢献できる人材へなっていくことを目標としています。
研究室の大学院生には、知的好奇心はもとより、少しでも広い視野をもってもらうために、できるだけ海外での発表を進めています。その意味でも、英語の習得に向けて積極的な姿勢を期待しています。ゼミは毎週行っており、おおよそ1カ月に1回は各人が進捗報告を行います。就職に関しては、船舶関連会社を希望する学生は、学部で就職し、情報関連を希望する学生は大学院に進学することが多いです。大学院に進学した学生は GPS/GNSSに精通したメーカー、電機メーカーそしてソフトウエア関連会社に進んでいます。ここ2-3年は就職状況が良好ですが、本人の基礎学力やコミュニケーション能力による部分が大きいようです。
本研究室に関連するテーマ一覧
ここ数年、以下のような課題に取り組んでいます。下記以外でも、衛星測位またはその周辺で興味のある学生さんがいればWelcomeです。(継続して研究している課題や実際に取り組まない年度もあります)
- ソフトウエアGPS/GNSS受信機を利用した課題
- マルチGNSSによる統合RTK測位のアルゴリズムについて
- 近未来SBASの性能評価及び電離層遅延誤差の評価
- GNSSによる測位結果の信頼度評価
- GISとGNSSの周辺(交通事故防止、環境モニター等への応用)
- GNSSとセンサーを統合した小型ロボット(ラジコン、UAV、ボート)の製作
- 都市部において衛星測位の抱える課題への対処
- マルチパス誤差低減技術
- GNSS用アンテナの評価
- 低コスト受信機でのRTKの利便性向上
- 3次元地図データを利用したシミュレーションとその利用
- GPS Studio(構造計画研究所)等を利用したシミュレーションの利活用
- 準天頂衛星に関連したもの
- 鉄道の位置決定と信頼度計算について
- 単独測位の高精度化(PPPやPPP-AR)に関する研究とその利用
- 中基線RTKにおける課題(電離層誤差推定)
GNSS基準点情報
当研究室では、越中島キャンパスの第4実験棟屋上に設置しているアンテナよりマルチGNSSの基準点補正データ情報(現在はRTCM3やBINEX)を2012年より配信しています。受信機はトリンブルNetR9とu-bloxのF9Pです。アンテナは付属のトリンブルZephyr2 Gepodeticとなります。都内でGNSSの実験をされるときに、DGNSSやRTK等を試されたい方や観測データ情報が必要な場合いつでもご連絡ください。
連絡先:nkubo@kaiyodai.ac.jp (久保)